【なぜ空きがない!?】療育施設がいつまでも空き待ち状態になっている原因

ke-sensei
  • 療育施設に問い合わせをしたのに断られた。
  • 希望した教室はいつも満員で入れない。
  • 何年も空き待ちの状態…。

自分の子を療育に通わせたいと思っても、施設の受け入れ体制の問題でなかなか利用開始に至らないケースが非常に多いです。

かといって、妥協した結果お子さんに合わない療育施設に通うことにもリスクを生じます。

妥協した施設に通うリスク

⚠ 集団療育からスタートして、不安や緊張がより高まる

⚠ 多動のお子さんを想定していない施設で、ケガをする。

⚠ 施設の方針が合わず、効果を実感できない時間を過ごすことになる。

そんなリスクにおびえながら過ごす療育よりも、せっかくならお子さんにあった療育施設を選びたいですよね。

だから希望した教室に何度も連絡しているんだけど、全然利用スタートできないんだよ…。

せっかく我が子に合いそうな療育施設に巡り合っても何年も空き待ち状態…それはそれで、もったいないですよね。

実は、療育施設は政府や自治体の縛りがあったり、慢性的な人手不足があったり…。様々な原因があってお子さんの受け入れを拒否せざる負えない状況があります。

今回はその『原因』を詳しく見ていきましょう!

療育施設が受け入れてくれない原因

療育施設側には「新規利用者を受け入れたくても受け入れられない!」という状況があります。それは、単にキャパオーバーというわけではなく、『子ども家庭庁からの制限』や『自治体ごとの制限』の影響ということが多くあります。

療育施設が受け入れてくれない主な原因
  • 人員配置基準が原因
  • 児童発達支援と放課後等デイサービスの報酬の違いが原因
  • 慢性的な人手不足が原因
  • 単純にお子さんが長期で利用する傾向にある

人員配置基準が原因

療育施設を利用する場合、療育手帳を取得しての利用になるはずです。

療育手帳を取得して利用する場合、保護者の方が施設に払う金額のほとんどを国が負担してくれます。

国の制度である以上、施設側に厳密な基準があり、その基準を満たした場合のみ国が施設に報酬を払う流れになっています。

  • 1日あたりに受け入れられる子供の人数
  • 受け入れ人数に対する先生の人数
  • 施設の面積当たりに対する受け入れられる人数

など、お子さんの人数制限に対しての基準は縛りが多いのです。

儲けのために受け入れ人数増やすのではなく、適切な人数受け入れて「療育の質」を高めましょう。って意味もあるんだね。

児童発達支援と放課後等デイサービスの報酬の違いが原因

現在、「児童発達支援」(自発)と「放課後等デイサービス」(放デイ)の報酬の差が存在します。

早期療育の観点から自発の報酬のほうが高くなっているのが現状。

療育施設や教室は基本的に「企業・会社」である以上、この報酬が生命線のため、できれば自発をたくさん取り入れたいと思っているんです。

ですから、新規利用で放デイを利用したいと電話するとちょっと渋られてしまうこともあります。(もちろん利益だけが福祉ではないはずなのですが、そうせざる負えないのが実情…)

慢性的な人手不足

福祉業界ではあるあるですが、療育施設も基本的に人手不足に悩んでいます。

  • お子さんと遊ぶだけ
  • お子さんを預かるだけ
  • お子さんに勉強を教えるだけ

とは、いかないのが『療育』です。療育の先生には幅広い知識が求められます。

先生たちに求められる知識や技能

各学習の習得順序・発達の順序・手先の機能・姿勢・道具の使い方・心理的発達・子どもとのかかわり方や手法・指示の出し方・検査結果の解釈・薬の知識・リスク管理・言葉の発達・社会性の作られ方・疾患基礎知識・脳の機能・見る力・聞く力・子どもの生活・療育の仕組み・子どもの興味関心・世間のブームなどなどなどなど…

Ke先生と一緒に働いた方の中にも、お子さんとうまくいかない事が続いた結果、「向いていない」と辞めていかれる方も多くいらっしゃいました。

人手不足が人手不足を生む状態で、上記の「国からの厳密な基準」に満たなくなってしまう場足もあります。最悪、利用しているお子さんにも利用をキャンセルしてもらう。なんてことも…。

余談ですが私Ke先生は、このブログを通じてこの人手不足を解消したいと思っています

利用を始めたら知ることになるかもしれませんが、先生の入れ替わりはめっちゃ激しい施設も多いのです…。

「誰でも割と簡単に療育の先生にはなれる」からこその弊害ともいえますね。

単純にお子さんが長期で利用する傾向にある

療育は基本的に年単位で実施します。

よっぽどのことがない限り皆さん1年以上はご利用される傾向にあります。

よっぽどのこと
  • 明らかにお子さんが嫌がる日が多い
  • 大きなけがをした
  • 契約時点と全く異なる療育が行われる
  • 個別支援計画とは全く異なる支援が提供される
  • 施設が経営破綻などでなくなる

このようなことがない限り短い人でも1,2年、長い人だと10年くらいと長期にわたっての利用をする方もいらっしゃいます。

利用する人の入れ替わりが少ないため、空きが発生しにくいというのが療育施設です

ただし、希望する療育施設が「児童発達支援」という未就学児の支援だけを行っている施設であれば、比較的空きは出やすい傾向にあります。

もし、お子さんが未就学児で、就学後はほかの施設を検討されている場合は入りやすいかもしれませんね。

まとめ

療育施設の空き待ち状態は決して利用者を選別しているわけではなく、様々な縛りのなかで受け入れを断らなければいけない状況にある。

その主な原因は…

療育施設が受け入れてくれない主な原因
  • 人員配置基準が原因
  • 児童発達支援と放課後等デイサービスの報酬の違いが原因
  • 慢性的な人手不足が原因
  • 単純にお子さんが長期で利用する傾向にある

原因を知っておくことで、いざ利用したいときにスムーズに通い始められるよう調整することができます。

実際に療育にスムーズに通い始めるにはどうしたらいいのか。まとめた記事はこちら!▼

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ABOUT ME
Ke先生
Ke先生
発達作業療法士
地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
『楽しく学べる!』をコンセプトに療育に関する知識や技術を発信していきます!
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