【専門職が本音で語る】“あずかり集団療育”をおすすめしない理由

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- 個別療育と集団療育どっちがいい?
- あずかりの療育を検討しているがデメリットはある?
- 療育現場の本音が知りたい
療育施設を探すとき、
「放課後も預かってくれるところがいいな」「長く見てくれる方が安心」
そう思われる保護者の方も多いのではないでしょうか。
現在、日本全国には児童発達支援施設が約13,500ヶ所、放課後等デイサービスが約15,600ヶ所あります。
私自身、療育施設で長年働いてきた経験から感じるのは、児童発達支援では個別療育が増えている一方、放課後等デイサービスでは「あずかり型の集団療育」がまだまだ多いということです。

夕方に子どもを預かってくれるのは親としてはありがたく、預かり療育のニーズがあるんですね。
この記事では、
「あずかり型の集団療育」にお子さんを通わせようと考えている保護者の方に向けて、事前に知っておいてほしい注意点をまとめました。
私自身の経験や、現場で働く専門職の仲間からの実際の話をもとにお伝えします。
地域で子どもの発達を支えてきた作業療法士。
『楽しい』ことが好き。
だから支援でも第一優先は子どもが楽しいと感じること!
個別療育と集団療育の違い
まずは簡単に「個別療育」と「集団療育」の違いを整理しておきましょう。
あずかり型の集団療育で気をつけたいこと

さて、ここからが本題です。
「あずかり型の集団療育」は、長時間・集団での支援を行うため、家庭から離れて過ごす時間が長くなります。
ここでは、通う前に知っておいてほしい大切なポイントをお伝えします。
親の目が届かないことのリスク
一番の注意点は、保護者の目が長時間届かないという点です。
これは、先生や子ども双方にとって環境的なストレスが生じやすい条件でもあります。
療育施設では、法律に基づいて虐待防止研修を行うことが義務づけられています。
この研修は家庭内虐待の発見が目的だけでなく、施設内での対応のしかたについても含まれます。
(研修を実施しているかどうかは、施設内の掲示で確認できるはずです。)
ただし実際は、研修を受けていても、実際にどのような関わりが行われているかは外から見えません。

- 静止させようと子どもの手を強く引く
- 他の子どもの前で叱る
- 「〇〇したら〇〇してあげる」と取引的な言葉がけをする
など、実際の療育現場では無意識のうちに「望ましくない関わり」が起こることがあります。
これは“悪意のある虐待”ではなく、忙しい現場で大人の余裕がなくなった結果として生じるケースも多いのです。

特に「療育」は手のかかるお子さんが通われる場所なので、先生たちが余裕のないことが多いんですよね…。
だからこそ、「どんな先生が、どんな環境で子どもに関わっているか」を見極めることが何より大切です。
信頼できる施設を見極めるポイント
「あずかり型」の施設を検討するときは、ぜひ以下の点をチェックしてみてください。
- 見学・面談の際に質問する
→ 例:「子どもがパニックを起こしたとき、どのように対応しますか?」
この質問に対して、丁寧に・具体的に答えてくれる施設は安心です。 - 研修報告や虐待防止マニュアルの掲示があるか確認する
→ 掲示や説明がなく、「うちは大丈夫です」とだけ答えるような施設は注意が必要です。 - 定期的にお子さんの様子を報告してもらえるか
→ お子さんの一日の様子や、頑張っていたことを共有してくれる施設は信頼できます。反対に、報告を面倒がるような施設は避けた方がよいでしょう。
見学に行った際には、管理者を含め関わる先生全員の雰囲気を見ておきましょう。
良くも悪くも、施設全体の雰囲気をつくるのは、先生一個人でもあります。

保護者の方に立って元気に挨拶もできない先生が普通にいる施設は怪しいですね。こんな先生が本当にいるんですよ。
まとめ
今回は「あずかり型の集団療育」に通う際の注意点について解説しました。
集団療育そのものが悪いというわけではありません。
大切なのは、その施設が子ども一人ひとりをきちんと見てくれているかどうかです。
「長く預かってくれるから」「送迎があるから」だけで選ぶと、
本当にお子さんの発達を支えてくれる場所を見落としてしまうかもしれません。
ぜひ、信頼できる先生と環境を見極めて選んでくださいね。
お子さんにとって安心して過ごせる療育の場が見つかることを願っています。







