体・手の支援

【段階付け】迷路×運筆のスモールステップ!

ke-sensei
キーワード

運筆 迷路 療育

  • 迷路遊びをどう発展していけばいいのか分からない!
  • 運筆の練習で迷路をどう活用する?
  • どうやったら楽しく運筆練習ができる?

迷路は療育でよく行う活動ですが、ただ既存の迷路を行うだけでは飽きが生じやすい活動でもあります。

療育現場で働く作業療法士が「運筆の力を高める」ことを目的として迷路を行う場合、
どのようにスモールステップを踏んでいくか解説します!

この記事がオススメな人!

  • 迷路を使って運筆の練習を提供したい人。
  • 遊びのレパートリーを増やしたい人。
  • 手先の力を向上する活動が知りたい人。

解説される順序通りに療育を提供していくだけで適切な段階付けを踏むことができます!

それでは楽しんでいってみましょう!

この記事を書いた人
Ke先生
Ke先生
発達作業療法士
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地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
『楽しく学べる!』をコンセプトに療育に関する知識や技術を発信していきます!
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【運筆】段階付けのポイント

運筆で迷路を行う際に意識するポイントが2つあります。

【運筆】段階付けのポイント
  • 正確性:自分の思い通りに手をコントロールできている?
  • 速さ:ある程度スムーズに鉛筆が動かせる?

正確性は、鉛筆を書きたい方向に正しく運ぶことができるのかというポイントです。

字をきれいに正しく書く力を意味します。

線の意図しない揺れや、良いところで線を止められない!といった困り感がある場合、この正確性に当てはまります。

速さは、どのくらいのスピードで運筆が可能であるかというポイントです。

小学生になると書く速さが求められてきます。

迷路は、運筆速度を向上する支援として有用です。

注意点

「運筆速度」は難易度が高いポイントです。
運筆の正確性がおおむね獲得してからチャレンジしてみましょう

迷路×運筆 段階付け

運筆能力の向上を目的として迷路を行う際のスモールステップの作り方は以下の通りです。

運筆×迷路 スモールステップ順
既存プリントをやってみよう

まずは既存の簡単な迷路をやってみよう!

ぶつかったらアウトルール

この壁にはビリビリ電気が!【正確性】

時間制限つきルール

爆弾だ!急げ!【速度】

今回登場する迷路は「ちびむすドリル」さんのものを使用させていただきます。

Step1 既存のプリントをやってみよう

まずは既存の簡単な迷路をやってみましょう!

既存の迷路が難しい場合、まずは迷路ができるようになることが優先です。

既存の簡単な迷路さえも難しい場合、以下の点で発達が未成熟な可能性があります。

既存の迷路ができない原因
  • 手を動かす力が未熟
  • 予測する力が未熟
  • 仕組みを理解する力が未熟
  • 見る力が未熟
  • 集中を維持する力

一度やってみて、難しければ原因を考え、足りない力をつける支援を提供しましょう。

手の発達に関する知識を身に着けたい方はコチラ▼

Step2 ぶつかったらアウトルール【正確性】

迷路の仕組みが理解でき、既存の迷路では物足りなくなってきた場合、
「壁にぶつかってはいけない」というルールを追加し、より正確性が求められる課題へ発展しましょう。

Step2の難易度調整は以下の通りです。

Step2-1
既存のプリントのまま壁にぶつからないよう指示

まずは既存のプリントの黒い線(壁)にぶつかってはいけないと指示をして実施しましょう。
各所に回復ポイントなどを設置してあげるとプレッシャーが減ります。

Step2-2
追加でぶつかってはいけない壁を書く

既存のプリントが難なく可能であるのなら、
指導員が事前にぶつかってはいけない壁を追加して提示しましょう。
迷路の題材に合ったイラストやトゲの絵などを描くとゲームのように楽しめますよ!

Step2-3
各所で別の課題をするような仕組みを作る

人の体は単一の動作を繰り返すことで慣れが生じます。
いつどんな時にでも正確性の高い動作をすぐに始められる練習を行いましょう。
各所にミッションポイントを用意し、一度全く別の動作をしてから続きを行うような仕組みを作ってみましょう。

ミスが0になることが目標ではなく、自分で思ったように手をコントロールできるかを観察してあげましょう。

Step3 時間制限つきルール 【速度】

正確な動作がある程度獲得されたなら、スピードも重視して取り組んでみましょう。

生活場面ではゆっくり正しく書く場面と、
多少雑でも速さが求められる場面があります。
【メモ・板書・テストなど】

運筆動作の最終段階として速度も要求する迷路の活動を行うことで、
早く書かなければいけない場面に対応できるようになりましょう。

速度を重視した迷路の例

各所の休憩ポイントまでなるべく早く移動するように指示します。

タイマーを爆弾に見立て、その爆弾を運んでいるといった設定にすると楽しんで取り組めます。

速度を重視しためいろを実施する際には、
若干雑に進んでも大丈夫なよう、道幅が広めの迷路を選びましょう!

まとめ

迷路の活動はそのまま使い続けても飽きを生じやすい活動です。

お子さんの運筆能力にあった工夫を加えて提示しましょう!

運筆×迷路 スモールステップ順
既存プリントをやってみよう

まずは既存の簡単な迷路をやってみよう!

ぶつかったらアウトルール

この壁にはビリビリ電気が!【正確性】

時間制限つきルール

爆弾だ!急げ!【速度】

【運筆×迷路】の難易度設定の参考になる書籍はコチラ▼

迷路は汎用性が高く、先生の工夫で発展していけます!
ぜひご活用ください!

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地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
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