【療育の仕事が楽しくなる⁉】絶対知っておきたい観察のポイント2選

ke-sensei
  • 子どもの様子を覚えてられない
  • 記録に何も書けない
  • 子どもの変化がわからない
  • 自分がやっていることが子供のためになっているのかわからない

観察が大事だとわかっていても、「実際にお子さんの様子を観察しても覚えていられない」という悩みはよくあることです。お子さんの様子を正しく観察することができなければ、その子に適した支援を行うことは難しいでしょう。

観察が大事なのはわかっているよ。でも長い時間一緒にいてもイマイチ観察できてる気がしないんだよね。

目の前にお子さんがいて、目には見えているはずなのにどうして観察することが難しいのでしょうか。

それは「観察」のポイントを押さえられていないからです。

観察のポイントを押さえていれば、お子さんを正しく理解することができ、自分の療育支援づくりに反映することができます。すると…

子どもの様子を正しく観察できる▶その子にとって必要な支援ができる▶子どもがいい方向に変化する▶変化に気付ける▶仕事をしている実感が沸く▶楽しい

療育における仕事の成果はお子さんの変化ですから、結果が見えることで最終的には自分が楽しいと思って療育の仕事をすることができるのです。

観察のポイントを知って、ただ何となくお子さんに接してモヤモヤが募る現状からの脱却を目指しましょう!

(そして療育界隈の離職率も下げたい!療育は楽しいんだよ~)

観察のポイントは2つ

観察における抑えるべきポイントはたった2つ!

観察のポイント
  • 事実をみる
  • 目的からみる

この2つのポイントを押さえるだけで、お子さんの様子を正しく観察する力になります。

少ないからみんな出来るでしょ!とでも言いたげだけど、言葉が意味わからんよ。

もちろん説明しますとも。では「観察のポイント」2つをじっくり見ていきましょう。

観察のポイント 『 事実をみる 』

「あなたは事実を見れていますか?」

馬鹿にしないでよ。目に映っているものが事実だよ。

さぁ。本当に事実を見れているかチェックしてみましょう。

やってみよう

この少年を観察してください。できれば観察したことを書き出してください。

どんなことが観察できるでしょうか。例えば…

観察できたこと(例)
  • 少年が牛乳の入ったコップを持っている
  • おいしそうな顔をしている
  • お母さんのほうを見ている
  • 男の子が大好きな牛乳を飲んでうれしそうにしている

このように観察できると思います。

ある程度察しはつくかもしれませんが…これらは事実ではないのです。

事実でない部分に色を付けると、

観察できたこと(事実ではない)
  • 少年が牛乳の入ったコップを持っている
  • おいしそうな顔をしている
  • お母さんのほうを見ている
  • 男の子が大好きな牛乳を飲んでうれしそうにしている

改めてみると赤で書かれた部分は写真だけの情報では実際にそうなのか確かめようがない。ですよね。

このように私たち人は主観で周囲の状況を把握する癖がついてしまっているのです。その癖から抜け出すのがまず最初のポイントになってきます。

ではここでいう事実とは何か

事実とは

誰が見ても同じように見えること = 客観的事実

観察者の事実ではない考え【主観】が観察に混ざるとその時点で考察の妨害が発生します。

観察されたことは次に考察するための重要な材料となりますから、先生方の主観フィルターを通っている時点でよい考察を展開させていくことは困難になります。

では、改めて先ほどの写真を事実のみ観察してみましょう。

観察できたこと(事実のみ)
  • 少年がコップを右手で持っている。
  • コップを顔の高さまで上げて、口を開けている。
  • 目線を左前方に送っている。
  • コップには白い液体がコップに注がれている。

このように、だれが見ても同じように見える「客観的事実をみることが観察のポイント!

観察のポイント 『 目的から見る 』

事実を見ることが大事なのはわかったよ…。でも、やっぱり見なきゃいけない事が多すぎて結局何を見たらいいのか分からないよ…。

主観フィルター抜きで観察をすると、今まで見えてこなかった細分まで見えてくるようになります。一方で、観察できることが増えすぎてキャパオーバーに陥る事態になります。

そこで2つ目のポイント「目的から見る」を実践しましょう。

先ほどの少年をもう一度見てみましょう。

やってみよう

ただし条件として【この子は右手を骨折していて今ギプスをとった】という状況

+あなたは、この子を担当している医者だとします。

どうでしょう。この条件だと少年の右手にぐっとフォーカスして観察することができますね

このように、目的が明確にあるだけで何から何まで観察しなければいけなかった状況から、見るべきところだけを観察することができます。

目的を事前に決めておくことで観察の焦点を絞れる

でもその目的ってなに…。目的を見出すために観察しているのに…

「何を観察の目的にしたらいいかわからない!」そんな方も多いはずです。

どうしてもその目的を見出すのが難しい方は、個別支援計画を上手に使いましょう!

個別支援計画は基本的にどのお子さんにも作られているはずです。(義務なので)

その個別支援計画に書かれた内容から、最初は1つでもいいのでピックアップします。その後お子さんに実際やってもらうことで、とても良い観察をすることができます。

支援計画から観察の目的を決め、実際に観察するまで(例)

個別支援計画:手先の機能を高め、箸を使った食事の自立を目指す。

観察する目的:現状どのような箸の使い方をしているのかをみる。

観察すること:箸を持つ位置、持ち方、指の動かし方、正確性、速さ、姿勢

当日の支援:お子さんに、箸を使ったスポンジの移動遊びを提示し、観察する。

このようにお子さんにできるようになってほしいことから観察する目的を考えると、ぐっと観察の焦点を絞ることができますね。

目的から観察する焦点を絞っておくことのメリットはもう1つ生じてきます。それが、

メリット

後からお子さんの状態を比較しやすくなり、成長を具体的に見れる。

目的はから観察することで、観察された項目から支援づくりに入っていきます。

したがって、再度観察する際に、同じ項目に沿って観察することができるのです。

そして再度同じ項目の変化から、お子さんの成長を具体的に評価することができるのです!

お子さんの成長を具体的に実感できると支援が一段と楽しく感じますよ!この楽しさをぜひ感じてほしい!

まとめ

観察のポイントは2つ!

観察のポイント
  • 事実をみる
  • 目的からみる
事実をみる

事実を正しく見る=主観フィルターを取っ払う!

客観的事実をみることで、偏った考察にならず、多角的な考察ができる!

目的からみる

目的からお子さんを観察すると、見るべきことの焦点が絞れる!

お子さんの成長を具体的に実感できるようになり、支援が楽しくなる!

お子さんの状態を観察することは、より良い支援の提供だけでなく自分が自分の仕事にやりがいや意味を見出すため非常に重要なものです!

ポイントを押さえてさっそく今からレッツ観察

こちらに観察するときに役立つ観察トレーニング用紙がありますので是非ご活用ください!

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ABOUT ME
Ke先生
Ke先生
発達作業療法士
地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
『楽しく学べる!』をコンセプトに療育に関する知識や技術を発信していきます!
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