生活のすべてが『作業』

ke-sensei

「作業療法士」「OT」

子どもに関わる医療的専門職はいくつかありますが、「作業療法士」もその中に含まれます。ちなみに私も現役の作業療法士なのです!

作業療法士の言う「作業」と一般的に用いられる「作業」という言葉は実は意味合いが少し異なっています。今回はその違いや「作業」とは一体なんなのか、みていきましょう!

実は意味が少し違う?

「作業」

では「作業」とは何なのか。

それはずばり「生活のすべてのこと」を指します。

皆さんは朝起きて家を出るまでに何をしますか?

えーっとまずは…アラームを止めるでしょー…? そしたらー…

ベッドから出る 着替える コーヒーを淹れる 洗顔する トイレに行く 朝食をとる

髭を剃る ニュースを見る ベッドを整える 靴を履く 玄関を開ける などなど

これらすべてが「作業」です。

つまり「作業」とは生活のすべてです。

もちろん家の中だけでなく職場での仕事や、趣味などすべてが作業です。

私たちは毎日毎日生活している中で、いつでもどこでも何かしらの作業をしています。

膨大な量の作業も3つの種類に分けられます。

3つの作業

  • 生活するのに必須な作業(ADL)
  • 家庭を守る作業(生産的活動)
  • 楽しむ作業(余暇活動)

生活をするのに必須な作業【ADL】

食事やトイレなど日常生活を送るうえで必須に行う作業をADLと言います。

この作業が一つでも欠けると生活の満足度は極端に下がるでしょう。

未就学のお子さんの自立にも必須の作業となっていて、保護者の方からのニーズにも多く上がってくるのがADLです。

箸での食事ができるようになったり、自分でお風呂にはいれるだけで周囲のサポートは減りますし、お子さんが自立して生活を送る基盤にもなる大事な作業と言えます。

家庭を守る作業【生産的活動】

これは主に「仕事」を指します。単に会社で仕事をすることだけでなく、家事や、学校での勉強もこの生産的活動に含まれます。

人によっては義務感で実施している人も多いでしょう。

幼児はほとんど生産的活動を行いませんが、就学すると途端に生産的活動が1日を占める割合が向上していきます。最終的に大人になるとこの生産的活動が生活の中心になっていくわけです。

楽しむ作業【余暇活動】

趣味や遊びなど本人が「楽しい」と感じて実施する作業を指します。

上記のADLや生産的活動であっても、本人が心の底から楽しんで実施している場合、この余暇活動としての作業になることもあります。

例えば…

「料理をする」という作業でも、ただ食事のために料理をするのなら生産的活動になりますが、「料理」が楽しくて趣味として行う人もいます

まとめ

作業療法の使う「作業」とは、生活をおくるうえで行うすべてのことを指す

作業は【ADL】【生産的活動】【余暇活動】に分けられる。

本人に行う作業がどんな意味を持っているのかが重要です。支援者の作業の押し付けにならないよう本人にとっての作業の意味を確かめて見れるといいですね!

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ABOUT ME
Ke先生
Ke先生
発達作業療法士
地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
『楽しく学べる!』をコンセプトに療育に関する知識や技術を発信していきます!
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