【体の支援は順序良く】体が発達する順序と療育支援


体 身体 発達 順序 順番
- 発達について学ぶ機会がなかった。
- 体の療育支援、何をしたらいいかわからない。
- 手先の支援のスモールステップがわからない。
療育支援の現場では、『体』に関するニーズが多く上がります。
また、報酬改定により療育支援における5領域の中に「感覚・運動」の分野があり、どのような療育施設でも体に関する支援が求められるようになってきました。
今回は、その体について基本的な発達の順序を解説してきます。

この記事は次のような人にオススメ!
- 体に関する基本的な知識を持ちたい人
- 手や姿勢などのの支援づくりに毎回困る人
- 保護者からの発達の質問に回答する自信がない人。
実際の具体的な支援案も交えて解説していきますので、
今日から現場で使える知識にしていきましょう!
それではどうぞ!
療育現場のニーズと体の発達
保護者から実際によくあるニーズから考えてみましょう。

箸を使ってご飯を食べてほしい。
体に関するニーズの中でも「箸」「鉛筆」など手に関するニーズはよくあります。
では、次の子達うち、どの子であれば箸の動作が習得できそうだとイメージしますか?
- 新生児
- ボールを上から投げられる子
- 日常的にスプーンを使ってる子
- 指を1本ずつ出しながら数を数えられる子
- 塗り絵をはみ出さず塗れる子

新生児に無理な事はわかる!
体の発達順序が「中心から外へ」だと知っているとニーズに上がっている動作が、今その子の発達状態から可能かどうかがパッとイメージできます。
体の発達は『中心から外へ』

体は図の矢印のように「中心→外」へ発達が進んでいきます。
腕や手(上肢)の発達順を見ていきましょう。
中心に近い部分から見ていくと、【肩】→【腕】→【手首】→【指】だとわかります。
指もさらに細かく見ていくと、手のひらに近いほうから指の先へと発達が進みます。
発達はこの順番に沿って進んでいくため、療育支援作りもこれに合わせて進めていけば良いとわかりますね。
発達順序に合わせた療育
療育支援を行うには、まずお子さんの状態をしっかり観察することが重要です。
観察のコツについての記事はこちら↓
先ほどの箸の例からお子さんの様子を見てみましょう。

箸を使ってご飯を食べてほしい。
箸を使うには指の動きによる開閉運動が重要で腕や手首の動きはあまり必要としません。

手の発達が、指レベルまできていないとできない動作なんだね。
ニーズに上がった動作が、本来どのように手を使っているのものなのか先生自身でやってみてください。
するとその動作を行うのに必要な発達のレベルがおおよそ想像がつくはずです。
次にお子さんの様子から箸動作が獲得できそうか考えます。
例えば「塗り絵」をしているお子さんを観察できたとしましょう。

子どもの様子が以下のような状態であった時、箸の動作を練習するのは適切でしょうか
- ひじが浮いている。
- 手を強く握りこんで色鉛筆を持っている。
- 腕全体の動きで塗り絵をしている。
このような動作をしているお子さんは、発達が肩・腕レベルであると予測されます。

ニーズが上がったとしても箸操作そのものの練習は酷すぎる…
そのため、まずは手指のみを使って動作する遊びを行っていきましょう。
- 手首を机に着けた状態でのおはじき飛ばし
- 物がたくさん入った箱から片手だけでお宝を探す
- 狭い範囲に限定した塗り絵(塗る範囲が大きいと腕を使いやすいから)
このように、ニーズに上がった動作の獲得に向け、そのお子さんの発達段階をイメージしながら療育支援を作っていくのです。
まとめ
体の発達は「中心→外」の順で進んでいきます。
今その子に必要な療育支援を考えることで、お子さんも楽しく動作の練習を行うことができます。
先生自身がゴールを見据えての支援であると、保護者の方に伝えることができれば、きっと保護者の方も安心して療育を受けさせてくれるでしょう。
さらに細かく手の発達の方向性について記載されている記事もありますので、合わせてご覧ください。

発達の順序を覚えて、楽しい療育ライフを!