療育スキル

【このフォントを使え】療育教材で使うべき『オススメフォント』と選ぶポイント

ke-sensei
キーワード

療育 教材 フォント

  • 作ったプリント教材、なんか見にくい…。
  • フォントまで気にする必要ある?
  • フォント選びの基準は?

療育場面、特に個別支援においてはオリジナルのプリント教材を作ることがあります。

実は、オリジナルのプリント教材を作るにあたり、使用する「フォント」選びが重要です。

フォントなんて、そんなに大事? 読めれば良くない?

たかがフォントだと思う方も多いでしょう。

されど、書いてあることがお子さんに伝わらない教材ほど無意味なものはありません。

ここでは実際に使えるフォントとともに、選び方の基準もお伝えしていきます!

この記事は次のような人にオススメ!

  • 今すぐ使えるフォントが知りたい人
  • 自分の作ったプリントを、なかなか子どもがやってくれない人
  • 子どもに合わせた環境的配慮を知りたい人。

現場で使える情報と共に、こん後の療育生活で一生使える知識も一緒にお伝えします!

それではどうぞ!

この記事を書いた人
Ke先生
Ke先生
発達作業療法士
Profile
地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
『楽しく学べる!』をコンセプトに療育に関する知識や技術を発信していきます!
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フォントはなぜ重要?

療育に通われているお子さんは、視覚的な情報処理の量が少なめな子も多くいます。

ワーキングメモリとも呼ばれるこの情報処理能力は、頭の中の作業台とも呼ばれています。

そのため、大事な部分を頭に入れてほしい時には「不要な情報」をできるだけ減らさなければいけません。

実は使うフォントによっては、その「不要な情報」が非常に多く含まれている可能性があるのです!

また、以下のような『見たものを認識する力』の苦手さを持つお子さんも多くいます。

見たものを認識する力
  • 目を文に沿って動かしていく力。【眼球運動】
  • 重要な部分と不要な背景を見分ける力。【図と地の問題】
  • 似ている文字の形を分別する力。【形の認識】

伝えたいことを、受け取ってもらえるような教材作りが必要だね

学習障害【LD】や【ディスレクシア】の場合も有効ですが、フォントの変更により劇的に読みが改善するものではありません。あくまで配慮の範囲です。

迷ったらこれ!

療育で使う『おすすめフォント』

UDデジタル教科書体

『UDデジタル教科書体』とは、株式会社森モリサワが開発したフォントです。

ユニバーサルデザインを意識されて作られた非常に汎用性の高いフォントです。

公式HPでも弱視や学習障害にも配慮されたデザインであると紹介されています。

有料ですが、最初からPCに搭載されている場合もありますのでチェックしてみましょう!

  • 有料 ※WindowsPCに最初から搭載されていることも多い
  • 使える文字の量:非常に多い
  • 情報量:線の太さ統一されている◎、凹凸もほとんどない◎
  • 「さ」が本来の筆記の書き方で表現されている◎

デメリットは、拗音(しゃなど小さい字)の小さい文字のほうが若干大きめであることです。

大きく表示する際には小さい文字の文字サイズだけ小さくするなどの配慮があると良いでしょう。

もう、迷わずコレ一択!

公式サイト▶https://www.morisawa.co.jp/topic/upg201802

けいふぉんと!

『けいふぉんと!』はアニメ『けいおん!』のロゴをヒントに作成されたフォントです。

太めのゴシック体でありながら文字の形が大きく崩れすぎないデザインになっています。

  • フリーフォント 無料
  • 使える文字の量:非常に多い
  • 情報量:線の太さ統一されている〇、凹凸もほとんどない〇
  • 「さ」が本来の書き方で表現されている◎

主に教材タイトルで使用します。

文字の形は若干丸めなため、視写等文字を学び始めたばかりの子には使いにくいです。

公式サイト▶https://font.sumomo.ne.jp/font_1.html

フォント選びの基準

療育教材で使用するフォントは「情報量」「正確性」で選びます。

教材を提示するお子さんの特性も加味したうえでフォントを選んでみましょう。

フォント選びの基準:情報量

この2つのフォントではどちらの方が情報量が多いでしょうか?

Aの方は線の太さが文字内で異なりますし、線の端に「うろこ」や「セリフ」と呼ばれる三角お山がついています。

これらがあるだけで、情報量がグッと増えてしまっています。

Aのフォント
Bのフォント
  • 線の太さが異なる
  • うろこ(セリフ)がついている
  • 曲がりや跳ねが独特
  • 線の太さがずっと統一されてる
  • うろこ(セリフ)がない
  • 無駄な装飾がない

鉛筆やペンで書く文字に近いフォントのほうが情報量が少ないと言えます。

フォント選びの基準:正確性

フォントはデザインですから、「読めるギリギリ」を狙っているフォントも多いです。

また、「大人は普通に読めるけど文字を学び始めた子は読めない文字」というものも多く存在します。

特にその差が顕著なのが「さ」です。

文字を学び始めた子や、ASD傾向の子、形の認識力が弱い子にとってこの「さ」の形の違いに苦しむ子が多くいます。

できるだけ本来の書き方に合うフォントを選びましょう。

まとめ

たかがフォントかもしれませんが、されどフォントです。

文字はうまく使えばお子さんに何かを伝えるときには非常に有効ですが、使い方を間違えば伝わりません。

楽しいデザインだけでなく『情報量』や『正確性』も意識してフォントを選びましょう。

療育スキルアップはフォント選びから!

それでは今日も楽しい療育ライフを!

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ABOUT ME
Ke先生
Ke先生
発達作業療法士
地域の療育現場で働く作業療法士。
わたし自身長く療育に携わってきてもお子さんとの関わりについて日々悩むばかり。
悩む中で得られた知識や経験を共有し、同じ悩みを持つ方の力になれればと思いブログをはじめてみました!
『楽しく学べる!』をコンセプトに療育に関する知識や技術を発信していきます!
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