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【体の発達】ボディイメージって何?具体的な解説と療育のポイント

ke-sensei
キーワード

ボディイメージ 身体図式 発達

  • 子どもがよく周りとぶつかる。原因は?
  • ボディイメージって何?
  • 人との距離感が近い子にどんな療育をしたらいい?

療育の現場では、「体の使い方がぎこちない」「運動が苦手」といった身体機能に関する相談を受けることが多くあります。
5領域にも「運動・感覚」という項目があり、体の発達支援は療育における重要なテーマの一つです。

一方で、療育で働く多くの先生方は、身体機能の発達について専門的に学ぶ機会が少ないのが現状です。

そこで今回は、作業療法士として長年療育現場で支援してきた経験をもとに、「ボディイメージ」という概念を中心に、体の発達と支援のポイントをわかりやすく解説します。

ボディイメージは、単に運動能力に関わるだけでなく、人との距離感をつかむ社会性や、危険から身を守る力にも関係しています。

ぜひこの記事を通してボディイメージへの理解を深め、日々の支援に活かしてみてください。


この記事を書いた人
Ke先生
Ke先生
けーせんせい
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「子どもと、その子に関わるすべての人が幸せでありますように。」
地域で子どもの発達を支えてきた作業療法士。
『楽しい』ことが好き。
だから支援でも第一優先は子どもが楽しいと感じること!
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ボディイメージとは?

ポイント

「ボディイメージ(身体図式)」とは、
“自分の体を正確に認識する力”
のことです。

日常生活でボディイメージが働いていること
  • 目を閉じて、今どんな姿勢で座っているか想像できますか?
  • どのくらいの水たまりならジャンプで飛び越えられると思いますか?
  • 家の中を歩くとき、家具にぶつからずに歩けますよね?
  • 警察の規制テープみたいな物が目の前に貼ってあったら、上を飛び越えるか下をくぐるか、すぐに判断できますよね?
  • 階段を登るとき、何センチ足を上げようか考えていませんよね?

これらすべてが、ボディイメージの働きによって成り立っています。
もしボディイメージがなければ、体を動かすたびに「どう動かせばいいか」を考えなければならず、非効率になります。

つまり、ボディイメージは、日常生活をスムーズに送るための“体の地図”のようなもの なのです。

ボディイメージの発達

ボディイメージは生後8か月頃から芽生え、親の動きをまねる行動などに現れます。
その後、子どもの体が成長するたびに、ボディイメージも更新されていきます。

大人はすでに自分の体を正確に把握していますが、子どもは「失敗」を通して少しずつ学んでいきます。
たとえば、転んだり、ぶつかったりしながら「これくらいの力で動くと危ない」「この距離は届かない」といった感覚を身につけていくんです。

私も高校生のころ、急に背が伸びた時期に扉の上におでこをよくぶつけていました…。

また、ボディイメージは「感覚」「運動」などの基礎的な身体機能が整った上で発達します。
そのため、これらの機能に発達の遅れが見られる場合、ボディイメージの発達にも影響が出やすくなります。

ボディイメージに課題が見られるお子さんを支援する際は、まず 感覚や運動の発達段階を丁寧に観察すること が重要です。

学校生活とボディイメージ

ボディイメージは、体育や運動会などの場面だけでなく、日常生活のあらゆる場面で必要になります。

学校でボディイメージが働いている例
  • 椅子に良い姿勢で座る
     → ボディイメージが未発達だと、自分の姿勢を客観的に把握できず崩れやすい。
  • 人との距離感を保つ
     → ボディイメージが未発達だと、相手との距離が近すぎるなどの行動が見られる。
  • 新しい漢字を書く
     → 文字のバランスや位置感覚をつかみにくく、見本通りに書けない。
  • 黒板の板書を写す
     → 目で見て、手を動かすという複数動作の連携が難しく、時間がかかる。

このように、ボディイメージの未発達は
「不器用さ」や「落ち着かない姿勢」「学習の遅れ」
として表れることがあります。

療育の現場では、こうした学校での困りごとに着目し、観察や保護者からの情報収集を通して原因を探ることが大切です。

ボディイメージを育てる療育のポイント

ボディイメージは、体や脳のさまざまな機能が整った上で形成されるため、いきなり直接的に働きかけても効果が出にくいことがあります。
まずは、感覚や運動などの基礎機能を整える ことが前提です。

そのうえで、「考えながら体を動かす」ような遊びを取り入れると効果的です。

療育で取り入れやすい遊びの例
  • ゴム跳び
  • 体につけた洗濯ばさみを取り合うゲーム
  • ボッチャ(パラスポーツ)
  • 箱の中身あてゲーム
  • 室内宝探し
  • 飛ぶ・くぐる・避けるサーキット遊び
  • 福笑い

これらの活動では、子どもが「どう動けばいいか」を頭で考え、試行錯誤しながら体を動かします。

この「考えながら体を動かす」経験こそ、ボディイメージを育てる鍵です。

昔ながらの遊びや運動遊びにも、ボディイメージを育てる要素は多く含まれています。
ぜひ現場で取り入れやすいものを探してみてください。

まとめ

今回は、療育で重要な「ボディイメージ」について、その意味と支援のポイントを紹介しました。

ボディイメージは、運動能力だけでなく、姿勢の保持や学習、人との関わり方など、幅広い領域に影響を及ぼす重要な発達要素です。

お子さんの困りごとの背景に「体のイメージの未発達」が隠れているかもしれません。
支援者として多角的に観察し、体の発達段階を丁寧に理解したうえで、遊びや活動を通して支援していきましょう。

筆者の余談

ボディイメージって本当に結構重要な要素なんです。
体の動きや感覚とは違い、実感しにくい領域であるからこその苦手意識やとっかかりにくさを感じますよね。
実際に体感していくことで理解が深まると思うのでぜひ日頃からボディイメージのありがたみを感じてみましょう。
個人的によく実施したボディイメージの支援は「ゴム跳び」ですね。
サーキットとレーニンングの中にもよく取り入れました。

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