発達

【3歳の発達理解】体・認知・社会性の発達をまるっと理解しよう

ke-sensei
キーワード

3歳 発達 療育 体 認知 社会性

  • 3歳の子って何ができるようになるの?
  • 小さい子にどんな支援を提供したらいいかわからない
  • とりあえず発達の順番を知りたい。

療育施設でお子さんへの支援を提供するうえで、「子どもの発達段階」を理解しておくことはとても重要です。
発達の流れを知ることで、今どの段階にいるのか、そしてこれからどんな力を獲得していくのかを把握し、適切な支援や活動内容を考えることができます。

この記事では「3歳の子ども」が1年間でどのように成長していくのかを、体・認知・社会性の3つの側面から解説します。
療育や保育の現場で関わるお子さんを思い浮かべながら読んでみてください。

注意点

今回紹介する内容はあくまで「一般的な発達」の目安です。
お子さんによって発達のスピードや得意・不得意には差があります。
その子に合った支援を行うことが何よりも優先してください。


この記事を書いた人
Ke先生
Ke先生
けーせんせい
Profile
「子どもと、その子に関わるすべての人が幸せでありますように。」
地域で子どもの発達を支えてきた作業療法士。
『楽しい』ことが好き。
だから支援でも第一優先は子どもが楽しいと感じること!
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【3歳】発達全体像

3歳から4歳にかけての1年間は、子どもの社会性がぐんと伸びる時期です。
会話のやりとりが何往復も続くようになり、自分の気持ちや出来事を言葉で伝えられるようになります。
反抗的な様子も少しずつ落ち着いてくる頃で、日常の中でもお子さんの自立した姿を感じられるようになってきます。

【3歳】体の発達

3歳頃になると、片足で体を支えることができるようになり、バランス感覚が発達してきます。
その結果、階段を両足交互にスムーズに昇り降りできるようになり、片足立ちも3秒ほど保てるようになります。

3歳児の体を使った遊び

手足を協調して使う動きが上達するため、三輪車やストライダーに上手に乗れるようになります。また、サッカーのように走りながらボールを蹴るといった複雑な動きも見られるようになります。

手の巧緻動作(こうちどうさ)では、親指・人差し指・中指を使って握る静的三指握りで道具を持てるようになります。
まだ指先の動きは未熟で、手首や肘を使って動かすことが多いですが、少しずつ指先を使った操作ができるようになります。

その結果、生活の中で道具を使う機会が増え、箸を使い始めたり、ボタンのはめ外しを自分で行う姿も見られるようになります。

3歳【体の発達】ポイントまとめ
 子どもの様子
バランス感覚階段昇降がスムーズに。片足立ちが3秒ほど可能。走りながら蹴る
協調動作三輪車・ストライダーに乗れる
手先の発達静的三指握りで筆記具を持ち、肘や手首の動きで動かす
生活動作箸・ボタンなどの使用開始

【3歳】認知の発達

この時期は表象(イメージ)遊びが豊かになる時期です。

表象遊びとは?

いわゆるみたて遊びを好んで行います。積み木を組み立てたり、人の顔を描いたりと、自発的に絵を描く姿が多く見られるようになります。

形や空間の理解も進み、基本的な図形の認識や色塗りができるようになります。
積み木では空間をあけて構成するなど、立体的な組み立てができるようになり、4歳頃には縦線と横線を組み合わせた「十字」の模写が可能になります。
また、「上・下」「前・後」などの方向の理解も発達していきます。

数の理解では、数唱は10までできるものの、実際に数を対応づける力はまだ未熟です。
「2個取って」などの指示には3個程度まで正確に対応できる段階です。

言葉の発達では、二者間での会話が可能になりますが、内容は自己中心的です。
文の構造は複雑になり、時制や接続詞を使うことも増えます。

言葉の発達ポイント

また、「どうして?」「これは何してるの?」といった質問を通して、周囲の出来事に興味を持ち、知識を広げようとします。

言葉の理解も進み、身近な物の用途を理解できるようになります。

「食べ物どれ?」の質問にりんごの絵を指させるようになります。

ただし、まだ抽象的な概念での分類は難しく、物事を一側面でしか捉えられません。

思考の面では、自己中心的な段階にあり、主観と客観がまだ分かれていない状態です。
「アニミズム(無生物に命があるように感じる)」が見られます。

アニミズムの例

壊れた傘をみて、「かさ、いたいいたいだね」と表現する。

3歳【認知の発達】ポイントまとめ
 子どもの様子
表象遊び積み木や絵で見立て遊びをする
視空間認知図形や色を識別。十字の模写。方向の理解。
数唱は10まで、数概念は3個程度
言語会話は自己中心的、語彙急増期、二者間での会話成立

【3歳】社会性の発達

3歳になると、大人との関係よりも子ども同士の関わりが深まっていきます。
自分の欲求と相手の気持ちを比べながら行動する経験を通して、我慢する力が育っていきます。
その結果、相手におもちゃを貸したり、一緒に遊ぶ姿も見られるようになります。

ただし、まだ相手の気持ちを十分に理解する力は未熟なため、子ども同士のけんかも頻繁に起こります。
こうしたやり取りを通して、少しずつ社会的なルールや他者理解を学んでいく大切な時期です。

3歳【認知の発達】ポイントまとめ
 子どもの様子
対象の変化他児とたくさん関わるようになるが、喧嘩も多い
自己抑制がまん・貸す・待つが少しずつ可能に
感情の理解相手の気持ちを理解し始めるが、まだまだすれ違う

まとめ

3歳は、体・認知・社会性の発達がバランスよく伸びていく時期です。
日常生活の中でできることが増え、会話のやり取りも成り立つようになり、子どもの自立を感じられる段階に入ります。

療育支援では、「自立に至らない原因」を正しく理解することが重要です。
また、保護者が周囲との差に気づきやすくなる時期でもあるため、発達段階に合わせた支援の工夫と、保護者の気持ちに寄り添った関わりが求められます。

筆者の余談

できることがめっちゃ増える時期ですよね。2歳の反抗心も抑えられ、言語的なやりとりも十分可能になるので会話をしていても楽しい時期です。子どもの気持ちを本人の口から聞けるようになるので、お子さん自身からの発信を大事にしてあげてください。

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